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ダレスバッグの逸話(エピソード)
by HONDA-BAGS: 本田洋一


Episodo U
「幻のキップレザー・ダレスバッグ」

ダレスバッグに使用される皮革はどちらかと云えば
”硬めで厚切りの丈夫な皮革”を使用するのが一般的である。
傷になりにくく、耐久性があるものが選ばれやすいからである。
イギリス製のものは特にそうである。アメリカ製(ほとんどないが)もそうである。
イギリス製のダレスバッグと云えば、余談ではあるが
売場に一番数が揃っているのは、何故か”日本橋の丸善”である。
3階フロアーの鞄売場にしっかり揃っている。
ブランドはここでは明かさないが、丸善直輸入品で
”まさにイギリスの伝統をしっかり守り続けている”
そんなダレスバッグである。

さて、日本も”硬めで厚切りの丈夫な皮革”が多いが
この写真のダレスバッグは、なんとキップレザーを使用している
キップとは子牛の皮革で、柔らかく上品ではあるが
普通は鞄のような大きなものには使用されることは少ない。
傷にもなりやすく、耐久性にも問題がある。
また、価格的にも高くなるので不向きなのである。
このタブーを破って生産されのが、
”ラガシャ”の初期の頃のシリーズのこのダレスバッグである。
子供の肌のように柔らかく、色も黒に近いグレーとしゃれている。
今では廃番となり、このシリーズもなくなったが
コレクターにとっては価値のある鞄である。
これは、実用的な鞄ではなく、芸術的(?)な鞄と云えるかも知れない。
ひょんなことから、お蔵入りしていたこのバッグを見つけ譲っていただいた。
10年以上前に生産されたものではあるが
ホコリを拭いて磨くと、全くの新品のように甦った。
使うことは少ないかも知れないが、大事にコレクションしたいと思う。

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